【その女諜報員 アレックス】
タフで最強には見えないが美しさは最強のオルガ・キュリレンコ主演
その女諜報員 アレックス 映画あらすじ
元恋人のケヴィンから誘われ、アレックスは南アフリカのケープタウンで銀行強盗チームに加わる。その実行中にトラブルが発生し、彼女だけが顔をさらしてしまうことに。その後、銀行から奪ったものが、ダイヤだけではないと明らかになる。奪われたものを取り返すため、孤立無援のアレックスにプロ集団が容赦なく襲いかかり……。
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その女諜報員 アレックス 映画レビュー
「元イスラエルの諜報員」「美しく、冷酷」「タフで筋金入りの美しき殺人兵器」という設定やキャッチコピーで、それを演じるのがオルガ・キュリレンコさんとなれば、スパイ映画好きでキュリレンコさんファンの筆者としては観ないわけにはいきません。モーガン・フリーマンさんの名前も確認し、期待に胸を膨らませて鑑賞したら……、あれれぇ？
主観的意見ですが、キュートでガーリーな魅力を持つ細身のオルガ・キュリレンコさんは、あまり最強の女は似合わないかも。
シャーリーズ・セロンさんや、ミラ・ジョヴォヴィッチさん、ミシェル・ロドリゲスさんに、アンジェリーナ・ジョリーさん（カリガリになっていない頃）たちは、スパイや殺し屋、スワットなどを演じていると本当に強そうに見えますが、彼女らに比べるとキュリレンコさんは線が細く、かわいらしすぎるのです。
そんな彼女を見ていると、どうしても弱くてかわいいものを守ろうとする人間の本能が働き、演じているキャラクターとのギャップに戸惑ってしまうわけです。ポケットに手を突っ込んでいても、男勝りというよりは、ヤンチャな娘が粋がっているような……。
もちろん、その華奢なからだを張ったアクションは見応えある部分も少なくありません。しかし、拷問されているときなどは不敵な冷笑で返すより、絶対に涙目で恐怖に慄いているほうが似合うと感じるわけです。
ちなみに、もしも主役のアレックスが後者のような弱々しいキャラクターであれば、必ず危機一髪で屈強な男が助けに現れるはず。しかし、今作のキャラクターは最強の女なので、むしろ善人側には優柔不断で優しい男や、単細胞のお人好しという、憎めない男性陣が登場します。
悪人側には一応、裏のプロ集団として強そうなキャラクターもいます。そのリーダーを演じるのは、ヒュー・ジャックマンさんとトーマス・ジェーンさんを足して2で割ったようなジェームズ・ピュアフォイさん。せっかく、そのハンサムでセクシーなピュアホイさんが悪人チームの親玉を演じたのに、部下と一緒に自分たちが始末した遺体を「いち、にの、さん」で火に投げ込んでいました。そ、それは普通、部下がやるのでは……。
まあ、それでも気を取り直して観ていたら、
巨大な陰謀そのものは想像を絶するけれど、
それを暴いたときの演出が、
驚くほど 浅くて 拍子抜けしてしまいました。
オスカー俳優のモーガン・フリーマンさんは、サミュエル・L・ジャクソンさん同様、大物になっても大作から小品、B級まで、色んな映画に出てくれる気前のいい俳優さんなのかもしれません。それか、魅力的なキュリレンコさんと共演したかっただけとか……。
何にせよラストシーンでは、次回作もやる気満々という意気込みが、前のめりになって現れてしまったのでしょう。それに、あーだこーだいっても、デキる女の小気味よさは味わえるし、多少は無理やりでもうまく箱に収まっていく物語の面白さもあるので、2作目が公開されたら間違いなく鑑賞します。
そんな映画『その女諜報員 アレックス（2015）』は、売ってはいけない1本……、かもしれれないといえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第。ちなみにバリQは、買い取り価格の高さとスピード査定が自慢です。もしも「売っちゃおうかなー」とお考えなら、ぜひバリQにお申し込みくださいませ!!
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オルガ・キュリレンコさんは、ウクライナ語、ロシア語、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語の6か国語を操るそうです。プライベートのほうがスパイらしいのではないだろうか。
ライター中山陽子でした。
その女諜報員 アレックス（2015）
監督 スティーヴン・カンパネッリ
出演者 オルガ・キュリレンコ／ジェームズ・ピュアフォイ／モーガン・フリーマン／リー＝アン・サマーズ