【みかんの丘】
言葉一つひとつがズシンとくるエストニアとジョージア(グルジア)の合作映画
みかんの丘 映画あらすじ
みかんの木箱職人イヴォと、みかん農家のマルゴスは、アブハジア自治共和国のエストニア人集落で暮らしている。しかし、ジョージアとアブハジア間の紛争により、ほかのエストニア人たちは殆どこの地を離れていた。2人は近いうちにこの集落も激戦区になると理解していたが、みかんの収穫を完遂しようとそれぞれの仕事を続けていた。ところがある日、マルゴスの家の前で小さな戦闘が起こる。彼らは死者を葬り、傷を負った2人の兵士を助けるが、その2人は敵として戦うもの同士だった。
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みかんの丘 映画レビュー
戦争の不条理さと、人の良心やつながりを感じさせてくれる、エストニアとジョージアの合作映画 です。舞台の大半はエストニア人集落にあるイヴォとマルゴスの家や周辺。登場人物もあまり多くありません。それでいて、役者さんたちの素朴な演技や、よく伝わるシンプルで効果的な演出、多くを語らず心に響かせるセリフがことのほか秀逸。戦闘シーンは終盤に限られており、そのほかは事後の状況や爆撃などで演出されていました。戦争映画というよりは、人間ドラマという印象です。
イヴォ役のレンビット・ウルフサックさんと、マルゴス役のエルモ・ヌガネンさんは、役柄どおりエストニア人の方です。チェチェン人傭兵のアハメドを演じたギオルギ・ナカシゼさんと、ジョージア(グルジア)兵のニカを演じたミヘイル・メスヒさんは敵同士を演じていますが、実際にはお2人ともジョージア人。そして、監督のザザ・ウルシャゼさんも同じくジョージア人です。
物語の背景となっているアブハジア紛争とは、ソ連崩壊とともに1991年に独立した国ジョージアと、ジョージアの一部となることを望まなかったアブハジアとが軍事衝突したもの。その状況のなかで、温厚なみかん農園のエストニア人が、アブハジアを武力支援するチェチェン人傭兵とジョージア人という「敵同士」を助けたことから、ひとつ屋根の下が異様な構図になってしまいました。
ジョージア人 vs チェチェン人(アブハジアの義勇軍) and エストニア人(表向きはアブハジア側だが中立)
エストニア人は19世紀後半に数多くアブハジアに移住し、開墾したといいます。イヴォの家に飾られた家族の幸せそうな写真から、紛争前は平和なエストニア人集落であったことが分かります。
そのなかで、自分の信念をいっさい曲げず、毎日コツコツと働きながら、食料を欲する人、看護や介抱を要する人を拒まず施すイヴォと、それに協力しならがら愛情をもって“みかん”を育てるマルゴスに、さすがの兵士たちも心を動かされます。
それに、そもそもアハメドもニカも、決して悪人ではありません。事情があって戦争に参加している2人は、仲間を殺され民族も違うことからお互いに殺意を持ちますが、良心も、年長者や家主を敬う気持ちも、人情もあり、恩も忘れません。
そんな彼らが戦争という名のもと、人を殺さなければならないということ自体が、不条理以外の何ものでもないというわけです。
意識のない者を殺そうとする者に対して
「意識もない兵士を殺して何が聖なる行為だ」
いがみ合う2人に対して
「殺すという権利を与えたのは誰だ?」
敵同士が眠る場所で
「教えてくれ。(彼らの)何が違うんだ?」
助けないこと、与えないこと、奪うことを罪と考え、差別を無意味だと考えるイヴォが放つ言葉は、本当に強い力を持っていました。
そんな映画『みかんの丘(2013)』は、売ってはいけない1本といえるでしょう。もちろん、ご判断は皆様次第。ちなみにバリQは、買い取り価格の高さとスピード査定が自慢です。もしも「売っちゃおうかなー」とお考えなら、ぜひバリQにお申し込みくださいませ!!
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憎み合い、敵意をぶつけ、少しだけ笑って、少し理解する……。
感動と切なさが入り混じるラストシーンで流れる曲は、アブハジア紛争中にジョージアで大ヒットしたという「紙の船(イラクリ・チャルクヴィアニ)」。その景色と状況、起こった悲劇、奇跡とあいまって、心に深く沁みこんでいきます。
この作品は、第87回アカデミー賞外国語映画賞エストニア代表作品に選出され、本選にノミネートされました。とにかく心に残る作品なのでおすすめです。
ライター中山陽子でした。
みかんの丘(2013)
監督 ザザ・ウルシャゼ
出演者 レンビット・ウルフサック/エルモ・ヌガネン/ギオルギ・ナカシゼア/ミヘイル・メスヒ