【悪魔祓い株式会社】
聖水でも十字架でもなく、美しき祈りと「拳」で解決します。 ※ネタバレあり
『悪魔祓い株式会社』あらすじ
そうしたなか、精神科医のジョンウォンが彼らに助けを求めにやって来る。彼女の妹が、異常行動を続けているというのだ。
だがじつは、それはいつも通りに解決できる案件ではなかった。あまりにも強大な力をもつ存在との直接対決が、今まさに始まったのだ——。
『悪魔祓い株式会社』レビュー※ネタバレします!
● オカルト系のヒーローアクション映画?
『悪魔祓い株式会社』というタイトルから想像し、コメディ映画だと思って鑑賞し始めましたが、実際には笑いの部分が2割ぐらい。ほとんどが真面目なホラーでしたよ。
しかしながら、マ・ドンソクさんが社長のバウを演じているので、やたらに恐怖と不安を煽るつくりではありません。「この兄貴なら絶対に、悪い奴をボコボコにしてくれる」という安心感のもと、ポップコーンを頬張りながら楽しめる感じです。
なおさら今回は、地獄から顔を出した「本物の悪魔」をぶん殴っていましたからね😂
ちなみに——
最後、悪魔との戦いのクライマックスでは、明らかに腕っぷしの強さだけとは違う、スーパーパワーがバウに宿っていたように見えました。物語のなかでは特に言及されていないので、それが何なのか、何故そうなったのかはわかりません。
そもそも、バウは人間でありながら、最初から『マイティ・ソー』か『ハルク』並みの強さでした。勝手な解釈をするならば、「オカルト系のヒーローもの」といったところでしょうか。ラストシーンからのエンドロールの始まりのビジュアルも、なんとなく『アイアンマン』というか、アメコミっぽかったですしね。
一応、「悪魔祓い株式会社」の社員のシャロンについては、悪魔か天使か堕天使かわかりませんが、人間以外の「力」を持っていることが明示されています。
● キャラクターのバランスが良すぎる件
「悪魔祓い株式会社」のメンバーは、以下の3人です。
- バウ(社長):強靭な肉体と最強の「拳」を持つ代表取締役
- キム(室長):一番給料が低い「情報収集・記録」係
- シャロン(技術者?):一番給料が高い美しき「エクソシスト」
さらに言えば、
バウは人間味と人情味にあふれる “叩きのめし” 担当。
キムは善い人間性がダダ漏れの “思わず応援したくなる” 担当。
シャロンは特別な能力と、その美しさで “魅せる” 担当。
このように、安心感と共感と魅了が3拍子揃った「悪魔祓い株式会社」のメンバーは、キャラクターのバランスが良すぎるというわけです。
● キレイと可愛いの怖い顔対決
そして、この作品の見どころは、バウ社長の肉弾戦と、シャロンとウンソという、美しき女性達による「悪魔顔」対決です。
シャロンを演じたのは元アイドルグループ・少女時代の「ソヒョン」さん。悪魔に憑依されるウンソを演じたのは、『パラサイト 半地下の家族』(2019)で家庭教師に恋する高校生を演じたチョン・ジソさん。
個人的には、もう少し「うわッ!」となる驚きが、あともう一歩ほしいところでしたが——。それはもしかしたら、制作側が、本当におぞましくなるギリのところで止めておいたために、そうした印象が生まれたのかもしれません。
● ちゃんと笑いも押さえています
最後に、コメディという期待をすべて裏切る作品ではないことについても触れておきます。ところどころにちゃんと、「笑い」のパンくずが落ちていました。
よって、陰鬱なホラーの迷路から出られなくなるということにはならず、しっかりと死闘の果ての「明るく爽快なラスト」を迎えることができます。
特にお気に入りは、悪魔祓いの最中に妹(ウンソ)を想い、つい受け答えしてしまう姉(精神科医のジョンウォン)を、バウが制したとき。
そのときの妹の意識は悪魔に乗っ取られているので、惑わされないよう姉に「受け答えしないで」とバウが注意したわけですよ。
ところが、その指示をやたらに全うしようとした姉が、普通にバウが話しかけても無視するように。そこで、いつものマ・ドンソクさんらしい演技で、「私の言葉には答えて」と真顔で言います。ほとんど、軽いコントでした。
そんな感じで、笑いのチョイ出しがすごーく細かく散りばめられています。
ちなみに原題は『거룩한 밤: 데몬 헌터스』。日本語にすると「聖なる夜:デーモンハンターズ」なので、なんとなく『ゴーストバスターズ』的な感じでもあります。
お腹を抱えて笑う準備をして観始めると大きく裏切られますが、クスッと笑いながら、ドンソクさんの安心感に包まれてエンターテイメントなホラーを鑑賞したいときは、ちょうどいいかもしれません。
(ライターgatto)
『悪魔祓い株式会社』(2025)
監督:イム・デヒ
出演者:マ・ドンソク , ソヒョン , イ・デビッド , キョン・スジン , チョン・ジソ


