【プレデター:バッドランド】
「それ、口のあたりどないなっとんねん」なプレデターの成長物語。兄弟愛と新たな家族との絆。 ※ネタバレあり
『プレデター:バッドランド』あらすじ
そして、族長の父から認められるために、最も危険な惑星「ゲンナ」に生息する「カリスク」の首をとることを決意。しかし、デクを「一族の恥」と考える父は、その決意を冷ややかにはねのけ、クウェイに弟を始末するよう命じる。
だが、弟想いのクウェイはその命令を拒否。身を挺してデクを守り、彼が望んだ「ゲンナ星」へと送った。
「ゲンナ星」にひとり到着したデクは、すぐに上半身だけのアンドロイド「ティア」と、子猿のように可愛らしい姿をした「バド」と出会う。そこから、普通なら行動を共にすることなどあり得ないデコボコな3個体の、一瞬たりとも気を抜けない危険な旅が始まった。
『プレデター:バッドランド』レビュー※ネタバレします!
● まん丸おめめ👀の憎めないプレデター
毒親の毒牙にかかりながらも、弟想いの兄からの “深い兄弟愛” のお陰で、情に厚い部分も備えています。彼にとって、何よりも大切なのは、強さを示すことではなく家族を守ること。
その家族は、種も構造もまったく異なる存在です……。
これ、
ぜーんぶ筆者から見た、この映画の主人公のプレデターの説明です。
思わず「それ、プレデターちゃうやろ」と突っ込みたくなるプロファイルですが、その姿はどこから見てもプレデター。
鼻と顎あたりから生えている外側の牙と、口の内側の牙の動きが、いつ見ても「それどないなっとんねん」と言いたくなるグロテスクなクリーチャービジュアル。どんなふうに食事するんだろうと興味津々でしたが、意外と普通の食事に見えてしまったのは、その食事シーンがロードムービー風になっていたからなのだと思います。
本来のプレデターが好きな人は、恐らくこの映画に物申したいところですよね。
しかし、筆者もこれまで意外とプレデター作品を楽しんでまいりましたが、この、「(プレデターというより)ヤウージャ族の若き戦士デク」の成長物語は、とても気に入ってしまいました。なんというか、つい応援したくなってしまうのです。
そして、捕食者であるはずの彼が「本当の家族」と明言できるほど、強い絆を結んだそのほかの2個体も、三癖ぐらいあって非常に魅力的です。
● 陽気なアンドロイドと可愛い最強おサルしゃん
デクが、危険しかない「ゲンナ星」で悪戦苦闘しているとき、巨大生物に下半身を引きちぎられ上半身だけになったアンドロイドの「ティア」と出会います。生物を理解するために「感情」を備えたアンドロイドだけに、表情豊かで陽気でおしゃべり。そして高い知能を持っています。
彼女の知識は、デクを危険から守るだけではありませんでした。ティアは、関係性や感情についてデクに説き、彼のなかからその潜在能力を引き出すことに成功します。そうして、自分が強くあろうとするだけでは強くなりきれなかったデクは、「家族集団としての群れを守る長」になることで真の強さを備えるのでした。
で、ティアはもともと、室内で研究をする担当ですが、アンドロイドの標準設計なのか接近戦にも長けています。映画のパッケージでお馴染みの、デクの後ろに上半身だけ外向きでおんぶされている姿もシュールなんですが、ティアの上半身と下半身がタッグを組んで敵をバッタバッタと倒していくシーンもかなりシュールでした。ちなみに、恐らく最強なのは下半身のほうです。😅
そして、もう1個体はティアが「バド」と名づけた可愛い子です。途中から、デクを父親のように感じたのか、なんでもかんでもデクのマネをし始めます。その所作は、ほとんど子ども。姿も、大きな潤んだおめめが愛らしい、チビッコおサルさんという感じ。
でも、じつはこのおサルしゃん、宇宙で最も危険な星の、最も危険な巨大生物の子どもなんですよね。その子どもに唾をかけられマーキングされたデクは、じつは途中から、怖いものなしになっていたわけです(最強巨大生物が子どもの匂いに気づいて襲わないから)。ついでにウナギか幻のツチノコか、ようわからん危険生物も餌付けていましたしね。笑
ちなみに、家族の証として、デクもバドに唾をかけてマーキングしていましたが――
デクがバドからのマーキングで得たメリットは、かなり大きなものですが、バドにはほとんどメリットがないような……。プレデターは基本、捕食者なので匂いがしようがしまいが襲ってきそうだし。「ゲンナ星」でプレデターの匂いがしても何の得もないし。そもそも、バドは子どもでもかなり強いし。
まあ、でも、デクに唾をかけられたチビッコおサルさんバドは、「あ、家族にしてくれるの?😃💕」と感じているような雰囲気で、とても嬉しそうでした。(見ているほうは、クリーチャーの唾液だと思うと微妙な感じですが)
● 「続編」つくる気満々です
この映画のラストシーンは、続編の存在を猛烈に匂わせる終わり方でした。
目の前に現れた巨大な宇宙船が「味方ではない」とティアに告げたあと、それが自分の母親であることをデクは明言しています。「母親も毒親かいな」と思いながら、ふと、「では、なぜあんなに兄のクウェイは人格者だったのかな?」と疑問を湧かせつつ、続編への期待が大いに高まりました。
ラストシーンでは、バドが出会ったころよりも成長したように感じたので、続編ではさぞかしもっとデカくなり最強になっていることと存じます。(それでいて、きっと相変わらずティアにナデナデされるとゴロニャンするはず💕)
ティアもますます陽気で優しく、知性も喋りも絶好調になっているかもしれません。デクも戦闘技術および「周囲を凍りつかせるダジャレ」にも磨きをかけていることでしょう。
まだまだ先だとは思いますが、このメンバーのままなら、いまから楽しみです……!
(ライターgatto)
『プレデター:バッドランド』(2025)
監督:ダン・トラクテンバーグ
出演者:ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ , エル・ファニング


