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CINEMAバリQ

今日の1本 素敵な相棒
〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜(2012)gattoのレビュー

素敵な相棒 〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜 映画レビュー

アナ雪のあと、なんか感動するヒット作をと躍起になるウォルト・ディズニー・ジャパンは、『ベイマックス』を心温まる優しい映画に仕立てようとしているが、実はこの映画、原題は『BIG HERO 6』と、いわゆるヒーローものなのである。

(下記URLは、日本と全然違うじゃねえかと話題の、アメリカ版の予告)

小さな女の子が「ベイマックシュ〜♪ぷにぷにでカワイイの♪」なんて喜んで映画を観に行ったら、戦闘ものが大好きな男の子向けのアニメというワケだ。
しかし、そんなことは今に始まったワケではない(笑)。
巨大ザメのパニック映画のようなパッケージで、実際には人間心理を描いたサスペンスだったという映画も知っている。(それも、いつかレビューで書こう)

まあ、そんな、“ロボットが人間のように傍に居て、心を癒したり元気にしてくれる物語”で、私が思い出してならない映画は『素敵な相棒〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜』である。

昔はすご腕の宝石泥棒だったフランクじいさんを心配した息子ハンターが、介護ヘルパーロボットをプレゼントしたことで物語が展開していく。
最初はじいさんも怪訝な顔で“人間のように話す、人間ではないロボット”を見つめていたが、健気なほど徹底的に健康管理やヤル気喚起を促してくれるロボットへ、次第に相棒を見つめるような目線を送るようになる。

人間は、「興味」と「食べること」を失うと生命力を失う。
もしも、どちらかがあれば、生きながらえる。
不思議なことに、自分の楽しみを満喫する生活を送っていると、周囲が心配するほど少量しか食べず痩せ細っても、元気でいられるそうだ。

フランクじいさんは、徐々に自分の生きがいだったことを思い出していく。
まあ、それが、褒められたことならいいが、このじいさん、もともとは泥棒というヤンチャな職業だったので(ヤンチャという言葉では片付けられないが)、ヤル気を起こせば起こすほど、ややこしくなっていくワケなのである。

認知症になると、記憶などに関係するアセチルコリン、ヤル気や期待を起こさせるドーパミン、心身を落ち着かせるセロトニンという、脳内に分泌されている神経伝達物質が正常に働かなくなるそうだ。
だから、忘れるし、やる気ないし、イライラするし、気分は最悪だ。
しかし、もしも “自分の大好きなコト”“やり遂げたい自分の役割”を持っているならば、その気持ちで脳が活性化する。
脳が元気になることで身体の機能も正常化するのである。

だから、「義務感だけで仕事人間になるな、細かいことにこだわるな、自分の楽しみを身に付けろ、それが長く人生を楽しむコツである」と子供に伝えたかったが、あいにく自分には子供がいないので、姪っ子に言っておこう。
…って、「マジ何言ってんのか意味わかんねー(by姪っ子)」…って言われるかもな。

まあ、とにかく、フランクじいさんは、徐々に“趣味(?)”に夢中になり、自ら健康に気をつかい、活気を取り戻していく。
介護ヘルパーロボットは介護対象者の“ヤル気喚起”もプログラムされているので古くからの友人のように協力的だ。
しかし、フランクじいさんの症状には、自分でも気づかない深刻な事実が隠されていた…。

とにかく、この映画、なんだか出演者が豪華なのである。
主役はひょうひょうとしていながらダンディな役をやらせたらピカ一なフランク・ランジェラ、息子役はX-メンのジェームス・マースデン。

娘役は、スティーヴン・タイラーの娘なのに、なんでこんなに美しくなったんだと毎回思うリヴ・タイラー。
おまけにフランクじいさんが何度でも恋してしまう女性は、名女優スーザン・サランドンだ。

すこしシニカルで、無理に泣かせようとしない淡々とした空気の流れ方が、むしろ心地よい。
元気のない父よりも、活気づいた父を見たいと願う、年老いた親を持つすべての子どもたちへ。
是非ご賞味あれ。

愛する父に贈る。映画と現実の狭間でROCKするgattoでした。

素敵な相棒
~フランクじいさんとロボットヘルパー~

監督: ジェイク・シュライアー
出演: フランク・ランジェラ, スーザン・サランドン, ジェームズ・マースデン, リブ・タイラー, ピーター・サースガード

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