ザ・グリード(何故か底抜けに明るいモンスター・パニック映画)
ザ・グリード 映画あらすじ
シャンパン片手に何も知らず宴に酔う、豪華客船アルゴノーティカ号の乗客たちをよそに、悪事をたくらむ何者かがコントロール室に侵入。
船はすぐに制御不能となるが、追い打ちをかけるように正体不明のなにかが衝突する。
一方、密輸船の船長であるジョン・フィネガンは、仲間のジョーイ・パントゥーチやレイラとともに嵐のなかを航海中、依頼主も積荷も非常に危険であることに気付く。
やがて、思いがけないアクシデントが起こり、目の前に大型豪華客船が現れると、依頼主は武装集団としての本性をむきだしにする。
しかし、その巨大船では、それ以上の恐怖に襲われていた。
ザ・グリード 映画レビュー
とりあえず大量のポップコーンをボウルに入れて、コーラをグビグビ飲みながら観るような映画「ザ・グリード(1998)」は、B級モンスターファンの間ではかなり有名な作品だ。
そして、今となっては「ハムナプトラ」シリーズや、「G.Iジョー」シリーズで有名になった監督スティーヴン・ソマーズの初期作品でもある。
個人的には、特に「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 (2013)」の脚本を書き、監督した人の作品であることに興味がそそられる。
なんにしても「おぞましいモンスターとホラーな描写・悪党・裏切り・美女・不屈の精神・いちいち明るいユーモア」で、映画はこのうえなく楽しい。
また、それぞれのベタなキャラクターも映画を盛り上げてくれる。
勇敢で窮地に追い込まれてもイージーゴーイングな主役と、明るくてドジでおっちょこちょいなムードメーカー、いかにも悪そうな悪役商会さんたちに、美しい悪女だ。
「なんで、そのまんま手榴弾投げちゃうんだよ」と頭を小突きたくなるほどイラつかせ要因である、ケヴィン・J・オコナー演じるパントゥーチにも最後には愛着を感じ、最初はふてぶてしかった悪女だって最後は信頼できるかわいい女に見える始末。
主役のトリート・ウィリアムズが演じるジョン・フィネガンは、きわめて危険な状況でも、いちいちお約束のアメリカン・ジョークを飛ばすからたまらない。
人がホラー映画に惹かれるのは、現実では自分に危険が及ばない状況で“バーチャルの恐怖”を味わい、生存本能を刺激されるからだという。
また、人はたとえバーチャルでも恐怖を感じると免疫力を強化するそうだ。
おまけに、ホラー映画はアドレナリンを放出するのでカロリー消費がはなはだしい。
なので、運動が苦手な人は、好みのホラー映画でカロリー消費するのもいいかもしれない。
運動もホラー映画も苦手な人はサスペンス映画でもどうぞ。
しかし、映画鑑賞中にガツガツ脂っこいスナックと、糖分過多な飲み物を摂取した場合は痩せません!
…と、話がそれてしまったが、この「ザ・グリード(1998)」がアドレナリンをビシバシ発しそうな作品であるかといったら、それほど怖い映画でもない。
確かにハラハラドキドキするし、かなりエグい描写もある。
しかし、いかんせん、とにかく明るい映画なのだ。でも、安心してください、面白いですよ。
B級だけど、万遍なく面白さが行き渡っている。
思いっきり先が読めても、「そうそう、モンスター映画はこうじゃなくっちゃ」と愛でてしまうのだ。
また、若くピチピチだったころのファムケ・ヤンセンや、思いっきり脇役だったころのジャイモン・フンスー、あんまり変わらない気がするけど「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ (1998)」以前のジェイソン・フレミングを観られるのも嬉しい。
しかーし、いくらなんでも、モンスターの親玉が弱すぎる。登場シーンが迫力があっただけに、思わず「ラスボス弱っ!」と叫んでしまうこと請け合い。
んがっ!それでも面白いので、是非ご賞味あれ。ちなみに、ラストもバリバリお約束の展開だ。
映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。
ザ・グリード(1998)
監督 スティーヴン・ソマーズ
出演 トリート・ウィリアムズ/ファムケ・ヤンセン/ケヴィン・J・オコナー/ウナ・デーモン
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