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永遠の0(「海賊とよばれた男」も同スタッフで映画化決定!)

永遠の0 あらすじ

祖母の葬儀で初めて本当の祖父(宮部久蔵)が特攻で戦死したことを知った、司法浪人の佐伯健太郎は、フリーライターの姉に本当の祖父のことを調べてみようと誘われ、バイト代目当てでイヤイヤ付き合い始める。
しかし、やがて宮部久蔵という人物の輪郭が見えてくるにつれ、自らの意思で真相を知りたいと思うようになるが、そこに隠れていた真実はあまりにも意外なものだった。

永遠の0 映画レビュー

2013年度の本屋大賞第1位を獲得し、多くの男性が涙した小説「海賊とよばれた男」の映画化が決定したようだ。
それも、「永遠の0」のチームが再結集というから期待度が高まる。

また、多くの航空ファンに見守られ、国産旅客機「MRJ」が2015年11月11日午前9時35分に名古屋空港から離陸し、約1時間半にわたる初飛行を無事に終えた。
この出来事に、高度な技術をGHQに恐れられ、長く航空機の開発・製造を禁止されていたという歴史を思い出す人も多いだろう。

そんなことが重なり、ふと、この映画のレビューを書こうと思い立つ。

「永遠の0」は、戦場を体験した人々の視点で語られる宮部久蔵という人物像を、その孫たちが受け止め、咀嚼していくことで物語が進んでいく作品だ。
もちろん、どんなに咀嚼したって、人ひとりの人生なんて全てを理解できるものではない。

それに、映画のセリフにも出てくるが、当時は誰もが大変な状況だったので、“誰かだけ”が突出して苦労したというわけではない。
しかし、それを踏まえても映画に登場する宮部久蔵という人物は、かなり特殊だったとうかがえる。

鍛錬した肉体と精神、そして、類まれな操縦技術を持つ航空兵でありながら、あの時代にして「わたしは死にたくありません」と臆することなく発言していたのだから。
それゆえに、宮部久蔵を毛嫌いする人間は少なくはなかった。
孫たちは、血のつながった祖父のことを「臆病者」だの「腰抜け」だの、苦々しい顔をして話す人々からの、悪意のオーラを容赦なく叩きつけられるのであった。

しかし、祖父の本当の姿は、1人や2人の言葉を頼りに“ほんの入り口”を調べたところで知り得ることではなかった。
孫の佐伯健太郎は、行き当たる先々で生じる“疑問”を原動力にして、迷路の先にある、限りなく真実に近いところまで手を届かせる…。

この映画は大ヒットを記録し、日本アカデミー賞8冠ほか多くの映画賞を席巻したが、扱う題材が題材だけに、それ以上に多くの批判に晒されたようだ。

そして、この映画を観て感動したり、涙することは非常に危険だと話す人も少なくはない。
しかし、正直なところ、この映画のどこが「戦争賛美」なのかがわからない。
妻と子を守るため、部下を死から守るため、“海軍一の臆病者”というレッテルを貼られながらも信念を貫こうとした男。
その男に、60年の時を越え孫たちが思いをはせる物語に、なぜ落涙してはいけないのだろう。

決して最後を「優美」には描いていないと思う。自分の信念が、犠牲のもとに成り立つことで心がはち切れそうだったのだ。
それゆえに、それが正しい、カッコいい、正しくない、カッコ悪いの対象にはならない。
それは、最後に孫が悲痛な表情で見せた叫びが答えではないか。

ラストシーンで佐伯健太郎は、現代の町中で祖父の幻想を目にして絶叫する。
その気持ちとは、驚きなのか、苦しみなのか、悔やみなのか、感動なのか。
いずれにせよ、彼は誤解のなかにある真実に、憤りを感じていたのは確かだ。

そして、その眼差しを感じながら、祖父に直接多くのことを聞いてみたいと願った青年は「いかないでくれ!」 そう叫びたかったに違いない。

映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。

永遠の0(2013)

監督 山崎貴
出演 岡田准一/三浦春馬/井上真央/濱田岳

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