4月の平均買取価格 6501円
平均買取点数85点、お客さま1件あたりの平均買取実績です。

CINEMAバリQ

ゲット スマート(何気に超豪華キャストなスティーヴ・カレル主演スパイ・コメディ)

ゲット スマート 映画あらすじ

秘密諜報機関コントロールの分析官スマートは、エージェント昇格を夢見て努力を重ねていたが、優れた分析官としての腕を買われ内勤を言い渡されてしまう。
しかし、ある日コントロール本部が犯罪組織のカオスに襲撃を受けたことから、敵に認識されていないスマートがエージェントとして活躍する場を与えられる。

しかし、経験がないスマートとコンビを組まされた美人敏腕エージェント99は、許容を超えた彼のドジっぷりに悩まされる。

ゲット スマート 映画レビュー

何度観ても、やはり大好きなコメディ映画のひとつであると確信。
大げさな笑いと、微妙な笑いが秒刻みに散りばめられているので、書き出そうとしたら困難な作業になりそうだ。

トイレで何気なく聞き耳を立てている状況をあの音で表現したり、意外にデキるエージェントなんだが靴が受話器だし、お約束で「球のれん」落ちるし、いやしかしあのインテリアのなかでいきなり「球のれん」不自然だし、「どうしてそうなった」と頭を抱えるほど矢が刺さりまくるし、お約束のおケツ丸見えだし、まあ、とにかく、筆者も大好物などうでもいいギャグが満載だ。

ちなみに、今作品は1960年代に人気を博したコメディドラマ「それ行けスマート」が本家本元であり、靴の無線電話はそのなかでお馴染みらしい。
そのスタイルが定番化していたと思われる本家を知らなかったせいもあるが、ごく自然に革靴を耳に当ててマジ顔をしているスティーヴ・カレル演じるスマートは、何度観ても笑わせてくれる。

また、エージェント86となったスマートのキャラクター設定がとてつもなく限度を超えている。
類まれなる秘密諜報機関の分析官ゆえ、頭のなかがネット検索並みに情報であふれかえっているのはもちろんのこと、強豪な敵と対峙した際にも即時にその人物の情報を頭のなかから引き出せる。

しかもそれが、奥さんがどうとか、好きな食べものがどうとかプライベートな情報であるにもかかわらず意外と役に立つのだ。
そして、どうやら40種類もの言語を操れるらしい。

また、時折ナゾの武術を披露するシーンがあり、それが役に立っているのか立っていないのかわからないほど微妙だが、東洋武術の達人でもあるとのこと。
それに加えて、宇宙規模の天然ボケおじさんなのだ。

このように、スマートというキャラクターやギャグについて書き出すとキリがない。
しかし、それを中断してでも、この映画に出演している役者さんにも触れておくべきだろう。
その理由は、しょうもないギャグ映画を本気で演じている俳優陣が、何気に豪華すぎるからだ。

スマート演じるスティーヴ・カレルというと、「40歳の童貞男(2005)」が引き合いに出されることも多いが、「リトル・ミス・サンシャイン (2006)」「エンド・オブ・ザ・ワールド (2012)」といった少しおかしくて心を温めてくれる作品のほか、「フォックスキャッチャー(2014)」のように不気味なサスペンスで評価を得るような演技派だ。

とはいえ、やはりコメディを演じさせたらピカ一。
シールドで聞こえないからと、ドサクサに紛れて自分のミスを大声で告白したあとにカメラ目線になるシーンなども、彼が演じるからこそ面白くなる。

整形で別人になったという設定の美人エージェント99を演じるのは「プラダを着た悪魔 (2006)」で不動の地位を獲得したアン・ハサウェイ。
もちろんスタイル抜群でメリハリのある美しい顔立ちというだけではなく、彼女は演技のみならず歌唱力も高く評価され、「レ・ミゼラブル(2012)」ではついにオスカー助演女優賞に輝いている。
「ブロークバック・マウンテン (2005)」では、彼女が持つ雰囲気とのギャップがあまりにも激しい大胆な演技が強烈な印象を残している。

また、プロレスラ―・俳優として不動の人気を誇るドウェイン・ジョンソンは、イケてるエージェント23役で出演。
その髪型はどうしたのだと問いかけたくなるようなヘルメットばりにペッタリと頭に貼りついた海苔ヘアーだが、もしかしてロウ人形じゃないかと思うほど完璧なボディにそれを忘れさせられ、超越したムキムキ具合に圧倒される。
「ワイルドスピード」シリーズでは正義感あふれる捜査官ルーク・ホブスを演じている。

秘密諜報機関コントロールのチーフを演じるのは名優アラン・アーキン。
紳士で上品なおじいちゃんなのに、頑固オヤジやスっとぼけたジーサンの演技が猛烈にうまく、スティーヴ・カレルと共演した「リトル・ミス・サンシャイン (2006)」では、第79回アカデミー賞助演男優賞を受賞している。

また、彼は映画デビューとなる「アメリカ上陸作戦(1966)」でいきなりアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた経歴があり、オードリー・ヘプバーン主演の「暗くなるまで待って(1967)」では悪役を演じていた。

そして、秘密諜報機関コントロールとの戦いを繰り広げる犯罪組織のボスを演じるのはやはり名優のテレンス・スタンプ。
彼も同じく、映画デビューとなる「奴隷戦艦(1962)」でゴールデングローブ賞最優秀新人賞を獲得し、アカデミー賞にもノミネートされている。
その後もさまざまな作品で高く評価されているが、最も印象深いのは「プリシラ(1994年)」での女装かもしれない。
この作品では、ガイ・ピアースやヒューゴ・ウィービングの女装姿も夢に出そうなほど印象深かった。

ほかにも、大統領役でジェームズ・カーンが何気なく出演している。
泣く子も黙る映画「ゴッドファーザー」でソニー・コルレオーネ役を演じ、アカデミー助演男優賞にノミネートを果した経歴を持つ。
それ以降、映画俳優として華々しい道を歩み続けたわけではないが、あらゆる作品でその強い存在感を示されるたび、やはりこの人は素晴らしい俳優さんだと感じる。
彼が登場するだけで、その作品に重みが加わるのだ。

そして、もうひとり忘れてはならないのがSFドラマ「ヒーローズ」、アクションドラマ「Hawaii Five-0」で人気の日本人俳優マシ・オカ。
ベタなギャグ演技をかましながら、頼もしいスマートの友人を演じている。

もう書ききれないが、有名俳優によるカメオ出演というお楽しみもあり。

というわけで、弁当でいうところの「スペシャル幕の内」、寿司メニューなら「松」的な、目も楽しませながらお腹いっぱいにしてくれる美味しいスパイ・アクション・コメディなのである。

映画と現実の狭間でROCKするライター中山陽子(gatto)でした。

ゲット スマート(2008)

監督 ピーター・シーガル
出演 スティーヴ・カレル/アン・ハサウェイ/アラン・アーキン/ドウェイン・ジョンソン

ピーター・シーガル監督作品の買取金額の相場はこちら
スティーヴ・カレル出演作品の買取金額の相場はこちら
アン・ハサウェイ出演作品の買取金額の相場はこちら