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CINEMAバリQ

【シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ】
トニー・スターク=アイアンマンがあまりにも可哀相すぎた作品

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 映画あらすじ

超越した戦闘能力をもつ集団アベンジャーズは世界を救うために奔走していたが、その陰でまったく罪のない人々が巻き添えとなっていた。
そのため、国連は彼らを監視下に置く「ソコヴィア協定」の調印を持ちかける。

しかし、それを受け入れるか否かにおいて、キャプテン・アメリカとトニー・スターク(アイアンマン)、それぞれに賛同するもの同士が対立してしまう。

だが、彼らが対立を深めるあいだ、さらに状況を深刻にすべく一人の男が不審な動きをはじめていた。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 映画レビュー

お馴染みのスーパーヒーローや新キャラクターが大集結なので、筆者を含むアメコミ映画ファンにはたまらない作品。
今回はとりあえずキャプテン・アメリカのシリーズだが、もはやアベンジャーズと銘打っても良いぐらいだ。

キャプテン・アメリカやアイアンマン、ファルコンにホークアイ、スカーレット・ウィッチに、ブラック・ウィドウ、ウォー・マシン(ローズ大佐)、ヴィジョンのほかに、アントマンやスパイダーマン、ブラック・パンサーも加わっている。
名前を聞くだけでワクワクだ。

しかし、さすがと言わずにはいられないアクションシーンや、ヒーローたちの技を楽しむぶんには最高なのだが、正直なところ、ストーリーにはかなり不満が残る。
外からの干渉で分裂し、話し合いもせずに大ゲンカってどうなんだ。

たとえ人格者ではなくとも、本来、彼らはもう少し冷静であったはず。
もはや、単細胞集団のケンカにしか見えん。たのむから落ち着け。

そもそも、一般市民に甚大な被害がでていると認識するのが遅い。
カーチェイス程度で一般人は危険に晒されるのだから、超人をはるかに超えている自分たちが大騒ぎしたらどうなるか容易に想像つくだろうに。

国連の監視下になるとか、ならないとかは置いといて、まずはチームで苦悩しながら考えや。

とりあえず、やるべきことは、コスプレ集団の大ゲンカではないでしょうが。

それに、調印がアベンジャーズ内部の分裂につながるのがおかしい。
驚異の力を持つ「アベンジャーズ」と「国際社会」に相容れない場面が生じるのは、当然起こり得ることで、今までもそのバランスをとってきたではないか。

そして、その分裂に拍車をかける要因が「誤解」ならば、まずその誤解を解くのが先決じゃないのか。

ヒーロー同士の対決というストーリー運びのために、なんだかムリくりな大ゲンカになだれ込み、超絶なパワーを仲間に対してつかうことの無意味さに、すっかり気分を削がれてしまった。
躊躇なく叩きのめしてほしい敵ではないので、戦闘シーンで「それ、いてこましたれー!」と思えないからだ。

しかも、今回キャプテン・アメリカは「僕の親友がいちばん大事なんだもん!」といった具合で、これまで一緒に戦ってきた仲間や、その周囲にいる超人能力を持たない人間までバッタバッタと倒している。

また、終盤トニー・スタークが怒るのは無理もないのに、そんな悲しみという怒りに支配されている人間を、躊躇せずバッコバコ殴っていた。

大好きなヒーローたちの姿や、その活躍を観るのが毎回とても楽しみなのだが、今回は個人的に、どうしてもキャプテン・アメリカに共感できなかった。
もちろん、このあたりは観る人の意見も大きく分かれるところだろう。そこが、制作側の狙いかもしれないが。

あと、なんでもかんでもトニー・スタークを責めすぎだ。

ブラック・ウィドウも、ホークアイも、アントマンも、彼ばかりを責める。
すっかり静まり返った場所で、親友のローズ大佐を労わるスタークの姿に落涙しそうになったわ。

とはいえ、今作品ではいつものトニー・スターク(アイアンマン)の魅力がほとんどない。
危機に晒されていても動揺せず、ジョークを飛ばして乗り切ることが最大の魅力なのに、今回はそれがほぼなく非常に残念だ。

しかしながら…もともとジェレミー・レナーは反抗的な態度を演じさせたらピカイチな役者さんなので、クリント(ホークアイ)としてトニー・スターク(アイアンマン)を責め立てるシーンは、やはり上手だった。でもやはり、いつもの友好的なクリントの方が好きだが。

ほか、ヴィジョンが(あのナリで)モジモジしながら料理するシーンはかわいかったし、お喋り小僧ながら凄腕なスパイダーマンも、でっかくなっちゃったアントマンにも笑わせてもらった。

ただ、ピーター(スパイダーマン)の叔母さん役がマリサ・トメイって、いくらなんでもセクシーすぎやしないか。
素敵な女優さんなので別に良いのだが、トニー・スタークの隣にいると、どうしても愛人に見えてしまって困る。

そして、初登場のチャドウィック・ボーズマンが演じるティ・チャラ(ブラック・パンサー)は、今回誰よりもイイとこどり。
ワカンダ王国の王子(のちに国王)という設定なので育ちが良く温厚。しかし、戦うときは「どんだけ~」といいたくなるほど強い。

あの強さは特殊スーツだけで発揮されるものではないはずだ。
しかも、物理学の博士号をもっている設定らしい。
2018年には「ブラック・パンサー」単独での映画公開があるそうなので楽しみだ。

ただ、架空の国家とされるワカンダ王国は決して大国ではないはずなのに、尋常じゃない設備をもっている。
そこは、もう少し、ウルグアイのムヒカ元大統領を見習った方がいいような…。(違うか)

とにかく、早くチームが仲直りしてバナー博士(ハルク)もソーも加わり、ローズ大佐も元気になって、一致団結して共通の敵をボッコボコにするアベンジャーズが観られますように。

という具合に、すっかりマーベルの策略にハマった

ライター中山陽子(gatto)でした。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)

監督 アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ
出演 クリス・エヴァンス/ロバート・ダウニー・Jr/スカーレット・ヨハンソン/セバスチャン・スタン

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