【ザ・ギフト】
いじめっ子を恐怖に陥れる映画
ザ・ギフト 映画あらすじ
カリフォルニア州郊外。シカゴからやってきた夫婦のサイモンとロビンは、自然に囲まれた眺めのいい家を気に入り住みはじめる。サイモンは近いうち出世が期待されており、ロビンも夫の愛に包まれ幸せに過ごしていた。そんな彼らの前に、高校でサイモンと同級生だったというゴードがあらわれる。再会は偶然だったが、そのうちゴードは頻繁に夫婦の家を訪れるように。そのタイミングが常にロビン一人の時間であることから、サイモンは2度と家に来ないよう彼に直接伝える。一方ロビンは、サイモンとゴードの間に、なにか過去の因縁があるのではないかと疑いはじめる。
ザ・ギフト 映画レビュー
そうきたか……、でラストシーンを迎える映画。『ザ・ギフト』というタイトル通り、最終的には究極のギフトが夫婦のもとに贈られる。その真相は明らかにされていないが、完璧なかたちでリベンジは達成されたといえるだろう。
いつ血しぶきがあがるのかと恐々観ていたが、実はこの映画にそのようなシーンはまったく出てない。『血』ではなく、人間のドス黒い『闇』がドバドバと噴き出す感じだ。
監督・脚本・出演の3役をこなしたジョエル・エドガートンは、この映画が初監督作品となる。ナタリー・ポートマン主演の『ジェーン (2016)』や、トム・ウィルキンソン出演の『ディスクローザー (2013)』でも脚本・出演を担っており、演技は数々の作品で評価されている。とても才能にあふれた人だ。
彼は今作品のゴード役にとてもはまっていて、あまり姿を現さないにもかかわらず、独特な存在感で怖さをにじませていた。それに、出演時間が意外に少ないというのは彼にとって好都合だったらしい。そのお陰で、監督・脚本・出演をこなせたのだとインタビューで答えていた。
エスカレートする贈りもの、誰かが潜んでいるような気配、隠された過去の秘密……。あらゆる不安がロビンを襲う。この役を演じたレベッカ・ホールは、今回弱々しい役柄だったせいか、短髪も手伝いひときわ痩せ細って見えた。彼女はやはりロングヘアーの方が似合う気がする。まあ、病弱そうな印象は、この役柄にはピッタリだったけれど。似てねーよと激怒されそうだが、ちょっぴり『シャイニング(1980)』の絶叫妻に似ていたかも(笑)
また、サイモンを演じたジェイソン・ベイトマンは難しい役柄だったものの、つくりすぎず、地味すぎず、とてもうまく演じていた。いつもはコミカルだったり、お人好しだったりする役が多いので、今回のように闇を抱えた人間を演じている作品はなかなか新鮮だ。
サイモンの妻に対する愛だけは本物のようなので、少しばかり複雑な感情が腹にくすぶる。それに、とばっちりを食らう周囲の人間もたまったものじゃない。
しかし、過去に起こったことは変えられない。そして、強制的ではない限り、結婚は運命も分かち合うことだと十分承知して相手を選ぶべき。その教訓にもなる(かな?)。
子供のころは口裂け女や幽霊がこわかったが、
やはり結局は人間が一番こわい。
ライター中山陽子でした。
ザ・ギフト(2015)
監督 ジョエル・エドガートン
出演者 ジェイソン・ベイトマン/レベッカ・ホール/ジョエル・エドガートン/アリソン・トルマン
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