【ライフ】
ラストはいろんな意味でビックリする個性派SF・ホラー・サスペンス
ライフ 映画あらすじ
コントロールを失った火星探査船の回収に成功した国際宇宙ステーション(ISS)のクルーは、探査船が持ち帰った火星地表のサンプルを分析し、初の地球外生命体を発見する。ISSのクルーらはもちろんのこと、地球上の人々も歓喜に沸き、その生命体はカルビンと名づけられた。実験により成長を始めた生命体だったが、途中ラボにトラブルが発生し、動かなくなってしまう。焦りを感じたひとりのクルーが電気ショックを与えると、思わぬ事態が起こり……。
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ライフ 映画レビュー
『エイリアン』以来しこたま制作されてきた地球外生命体の映画ですが、俳優陣を目にすると、思わず期待が高まってしまう作品です。
医師のデビッドを演じたのは、こだわり演技派ジェイク・ギレンホールさん、検疫官ミランダを演じたのは、前作に続き間もなく公開される『ミッション・インポッシブル』の最新作にも出演しているレベッカ・ファーガソンさん、航空エンジニアのローリーを演じたのは、我らが『デッド・プール』のライアン・レイノルズさん、そして、システム・エンジニアのショウを演じたのは日本が誇る真田広之さんです。
この手の作品では、つい「最初に死ぬのは誰だ」「きっと生き残るのはこの人だ」と、すぐに予測してしまうのですが、このように豪華キャストだとなかなか予測が難しくなりますね。
映画の初めはとても重厚感があり、怖いほど無限に広がる宇宙空間を感じることができ、映像が繊細で、リアリティもあって引き込まれます。特に最初はドキュメンタリー風に見せようとしている印象があり、なかなかキャストの顔がしっかりと見えずイラッとしてしまいますが、地球外生命体の姿があらわになるとともに、豪華キャストの顔も、それぞれの特性も見えてきます。
宇宙生活が長いデビッド(ジェイク・ギレンホール)は、優しい宇宙のひきこもり。ミランダ(レベッカ・ファーガソン)は凛とした規則一点張り女史(ただし、その理由はのちに明かされる)。ローリー(ライアン・レイノルズ)は陽気と男気の冗談男。ショウ(真田広之)はひたすら寡黙で家庭的な男といった感じです。
また、初めのうち地球外生命体は、ハダカカメガイ属のクリオネか、葉っぱの妖精のような姿でかわいらしいのですが、のちにヒトデだかタコだかエイリアンだか分からんようになり、どんどん恐ろしくなっていきます。でも、かわいらしい姿のときから、全身が脳で目で、しかも筋肉でもある生命体だと分かっていたので、最初から不気味な存在ではありましたが。
とにかくこのヘンテコリンな生命体カルビン君が、国際宇宙ステーションのクルーたちと観客を、恐怖のどん底に陥れます。こうして途中からはSF・ホラー・サスペンス要素が強くなり、手に汗握る展開になるわけですが、ラストはどうなるのかと思いきや、「あ、そうなるのね」からの、「も、もしや……、もしや……、もしや……………………」
「やっぱりかーい」
でした。
筆者には、ちょっぴりギャグ混じりの、そして『バイオハザード』ほかゾンビ映画的な終わり方に見えたのですが、いかがでしょう。あれだけ最初は重厚感たっぷりで、ものすごくハラハラドキドキ・ギョッとさせられ、俳優さんたちの演技も堪能できたのに、ラストシーンだけB級映画だったような。
でも、むしろ最初の重厚感より、ラストのB級感のほうが好みなんですけどね(笑)。
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監督は『デンジャラス・ラン(2012)』のダニエル・エスピノーサ監督。ライアン・レイノルズさんとは2度目なので、思いのままのアドリブを許していたそうです。真田広之さんも笑いをこらえるのが大変だったそう。さすがはデッド・プール。ちなみに、その真田さんも今作で大いに活躍していますよ。欲をいえば終盤もう少しだけ焦点を当てて欲しかった気もしますが。でも、国際宇宙ステーションに日本人クルーがいるという設定はナイスですね。
ライター中山陽子でした。
ライフ(2017)
監督 ダニエル・エスピノーサ
出演者 ジェイク・ギレンホール/レベッカ・ファーガソン/ライアン・レイノルズ/真田広之