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CINEMAバリQ

【チョコレートファイター】
阿部寛さんも出演のタイ発超絶アクション

複雑な愛で生まれた娘は最強の戦士に「チョコレートファイター」

【あらすじ】

日本ヤクザの幹部 マサシは、抗争相手であるタイマフィアのボス(ナンバー8)の情婦 ジンと愛し合うようになる。しかし、マサシの身を案じたジンは別れを決意。マサシを日本に帰国させ、裏の社会からも足を洗い、1人マサシとの間にできた娘 ゼンを育てていた。ゼンは生まれつき脳の発達障害を患っていたが、自分の目で見た体術を一瞬で習得できる能力を備えていた。やがて、大病を患ったジンを助けるため、成長したゼンは幼なじみのムンと治療費を稼ごうとするが、その活動がナンバー8の耳にも入り……。

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『マッハ!!!!!!!!』を超えた「チョコレートファイター」

【レビュー】

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督は、2003年のタイ国内興行成績1位を記録した『マッハ!!!!!!!!』で有名な映画監督です。『マッハ!!!!!!!!』とは、CGもワイヤーも、スタントマンも早回しも使わず、タイ国技のムエタイや、ミャンマーの立ち技格闘技ラウェイなどを使った、リアルなアクションで観客を魅了した映画のこと。

そして、今回ピックアップした『チョコレートファイター』は、その『マッハ!!!!!!!!』の動員記録を塗り替えるほどの大ヒットとなったアクション映画です。日本が誇る俳優の阿部寛さんも、主要な役柄で出演しています。

物語は、日本ヤクザとタイマフィアの抗争を背景に、2人の男が、1人の女を奪い合うところから始まります。多くは語らず、いきなり阿部さんの「尻」を見せられ濡れ場に流れ込みますが、“ここ”から今回の主役であるゼンの命の炎が灯るのです。

そうして生まれたゼンが、障害を持ちながらも目にした格闘技すべてを習得できるもんだから、炎に向かう虫のように、自らの命をどんどん危険にさらしてしまいます(ついでに周囲も巻き込んで)。とはいえ、それもこれも、すべては最愛の母を守るため。

ゼンの目には、愛する母と、信頼する幼なじみのムンと、大好きな格闘技と、チョコレートしか映らないのです。その大切なものたちを守ろうとする、彼女の行動を邪魔する者は、容赦なくボッコボコにしちゃいます。

【登場人物と出演者】

ジージャー・ヤーニンさん演じる「ゼン」は、恐らく脳のミラーニューロン( 他者の行動を見て、まるで自分が同じ行動をとっているかのように”鏡”のような反応をする)が発達しており、優れた映像記憶能力(見たものを写真のように鮮明に覚えることができる能力)を持つ、サヴァン症候群(ごく特定分野に限って優れた能力を発揮する)の少女です。

とにかく、かわいくて、強い。この二言に尽きます。

阿部寛さん演じる「マサシ」は、日本ヤクザの幹部 。長身でナイスバディのイケメンであることには変わりありませんが、このとき『テルマエ・ロマエ(2012/2014)』で鍛えたムキムキの体だったら尚更よかったのに、と思います。でも、すごく強そうで、意外にそうでもなかったところが、ちょと気がかり(娘が強すぎるんですけどね)。

ポンパット・ワチラバンジョンさん演じる「ナンバー8」は、タイマフィアのボス。最初は武田鉄矢さん風のズラをかぶり、サングラスをかけた古田新太さんかと思いました(じつは最後までそう見えた)。個人的な意見では、その認知バイアスが、ナンバー8の凄みを薄めてしまっていた気がします。

アマラー・シリポンさん演じる「ジン」は最初、ナンバー8の色っぽくて鼻っ柱の強い、派手な情婦でした。しかし、マサシにすっかり惚れこみ、裏の社会から足を洗い地味な“おっかさん”になります。結局マサシとは離ればなれになってしまうものの、最愛の娘であるゼンを生きがいに、どんな苦難にも耐え必死に生きようとします。

タポン・ポップワンディーさん演じる「ムン」は、ものすごくお人好しなゼンの幼なじみ。ジンの病気を治す薬を買うお金を稼ぐため、ゼンと一緒に頑張ったり、危険な目に遭わされたりしていますが、決して怒りません。もうすこしジンとゼンの親子は、彼に感謝したほうがいいような……。

【結論】

あきらかにセットだとわかる、謎の日本語看板がついた飲食店ビル壁面での戦いは、とても画期的で見ごたえありますが、少々しつこい。アクション自慢の映画だけに、アクションシーンは基本的にすべてしつこいです。

なお、本当に痛そうに見えるが、大丈夫だろうかと心配していたら、エンドロールで出演者らが、本当に大ケガをしまくっていたと知り、そのアクション魂に感動しました。でも、大変なことが起きる前に、今後はやり方を考えたほうがいいと思う次第です。

つまり、『チョコレートファイター』は、ジージャー・ヤーニンさんの華麗なアクションに魅了され、出演者たちによる命がけのアクションに感動し、ズラではないが、いつナンバー8のズラがとれてしまうのかどうしても気になり、「これはアクション映画だ」と覚悟を決めて観ないと、死ぬほど長いアクションシーンに「いい加減にせんか!」と怒りたくなる映画です。

ライター中山陽子でした。

チョコレートファイター(2008)

監督 プラッチャヤー・ピンゲーオ
出演者 ジージャー・ヤーニン/阿部寛/ポンパット・ワチラバンジョン/アマラー・シリポン

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