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CINEMAバリQ

【シャーロック・ホームズの冒険】
クセになる英国紳士の名推理&友情ドラマ

名探偵の事件簿「シャーロック・ホームズの冒険」

【あらすじ】

19世紀のイギリス。天才的頭脳をもつ名探偵シャーロック・ホームズと、心優しき相棒のジョン・H・ワトスン医師が、あらゆる難事件を解決していく物語。

お医者さんも大好きな名探偵「シャーロック・ホームズの冒険」

【レビュー】

名探偵シャーロック・ホームズの生みの親である、イギリスの作家アーサー・コナン・ドイル氏は、作家として名を揚げる前に開業医として働いていました。

そんな背景があるからでしょうか、佐々木春喜氏著の『シャーロック・ホームズの確率的診断推論』(2013,日本プライマリ・ケア連合学会誌)によると、シャーロック・ホームズのファンだという医師は多いそうです。佐々木氏はその具体的な理由として、難しい病気を当てる際の医師による診断推理と、ホームズの推理力がよく似ているからという考えを示しています。

そして、この「シャーロック・ホームズの冒険」は、名探偵シャーロック・ホームズと、その相棒のワトスン医師が大活躍するイギリスの推理ドラマ。ドイル氏原作のイメージに限りなく近いと言われています。

こうした前置きだけでも非常に魅力的なドラマですが、80年代~90年代半ば放映という時代性でしょうか。逃走する犯人を追いかけたり捕まえたりする様子がやけにスローだったり、アクションシーンも「えいッ、やー!」と学芸会っぽい雰囲気だったりします。回によっては、「それ、事件解決っていうか、当事者から詳しく事情を聞いただけじゃないんかーい」と突っ込みたくなることも。

とは言え、天才ホームズが、現代でいう科学捜査やプロファイリング、論理的思考あるいはクリティカルシンキング(批判的思考)、行動心理学的なものも考慮して次々と難事件を解決してしまう姿には、もう惚れ惚れしてしまいます。無力な自分(鑑賞者である筆者)がホームズの力を借り、毎回犯人に対して「ガツンとやれる」爽快感がたまらないのです。

また、シャーロックとワトスン、彼らが下宿するベーカー街221Bの家主であるハドスン夫人、ロンドン警視庁のレストレード警部との、強い信頼関係も欠かせない魅力です。現代版の同ドラマとは一線を画する、兄マイクロフトとの絶大な信頼関係も、見ていて非常に心地よいわけです。

加えてホームズが絶対に崩さない善人、英国紳士としての姿勢や、ホームズの「心から信頼する人々」に対する不器用な愛情、ワトスン医師の涙が出るほど大らかで優しい人柄もナイスです。(ただし、ホームズのコカイン依存症である側面は気に入らん)

目を背けたくなるような犯罪も、ドラマのラストで軽口をたたき合う親友同士、ジンとくる言葉に涙ぐむ姿を見せんとする天才さん、その気持ちを汲む優しい相棒、お調子者でうかつだけど真摯な警部、小言を並べつつ、母親のように思いやったり心配したり、一緒に喜んだりする家主という、魅力的な人々が登場するからこそ、このドラマは人気を保ち続けているのではないでしょうか。ちなみに物語の背景となっている、優雅なヴィクトリア朝のイギリスも非常に魅力的です。

【登場人物と出演者】

ジェレミー・ブレットさん演じるシャーロック・ホームズは、言わずと知れた名探偵。天才だが変人で傲慢。そして繊細。一般人にとっては知的な職業のワトスン医師を、平気でアホアホ(的なことを)言う。しかし根は善人で紳士で、情が深く裏表がない。事件解決においても人間としても信頼できる男。

第1・2シリーズまでデビッド・バークさんが、第3シリーズ以降はエドワード・ハードウィックさんが演じているジョン・H・ワトスン医師は、ホームズの同居人で唯一無二の親友。ホームズにアホアホ(無知だと)言われても怒らない超ド級のお人好しかつ大人かつ常識人。社交的で優しく、心から信頼できる人物。親友にしたいランキング1位間違いなし。でも何かあると銃を手に持ち抗戦する。

ロザリー・ウィリアムズさん演じるハドスン夫人は、ホームズとワトスンが下宿するベーカー街221Bの家主。上品でかわいい初老の女性である。いつもおいしそうな食事やアフタヌーンティーでホームズたちと視聴者を和ましてくれるほか、母親のように心配したり、作戦に参加したりする←その方法がアナログすぎて「新婚さんいらっしゃい」の桂文枝師匠ばりに椅子から転げ落ちましたけど。

コリン・ジェボンズさん演じるレストレード警部は、ロンドン警視庁の警部。警部になるくらいだから優秀だと思いきや、とにかく早合点と勘違いが激しい。でも正直者で憎めない。ホームズが信頼する人間のひとりなのだから間違いなし。真面目でひたむきな言葉で、ホームズをジンとさせちゃった人物でもある。

チャールズ・グレイさん演じるマイクロフトはシャーロック・ホームズの兄。イギリス政府で重要なポストにつき、シャーロック以上の頭脳をもつというすごい人物だが、意外と引きこもるタイプで非活動的。人付き合いが苦手で、権力を笠に着るタイプでもない好人物。このドラマでシャーロックとマイクロフトは、お互いを誇りに思っているように見える。

【結論】

魅力的なキャラクターと、イギリス史で最も栄えた時代の雰囲気、事件解決のスッキリ感が病みつきになるドラマです。

ライター中山陽子でした。

シャーロック・ホームズの冒険

出演者 ジェレミー・ブレット/デビッド・バーク/エドワード・ハードウィック/ロザリー・ウィリアムズ/コリン・ジェボンズ/チャールズ・グレイ