今日の1本 ディアトロフ・インシデント(2013)DRQのレビュー
ディアトロフ・インシデント(2013)DRQのレビュー
なんと実話。
もう50年ほど前の1959年2月2日、旧ソ連のウラル山脈のディアトロフ峠でスノートレッキングしていた男女9名の死亡事件。
当時、-30度の酷寒の夜空の下、9名は突如発生した「何か」に驚いてテントから外に飛び出し、原因不明の死を遂げました。
特に遺体に争った跡はないのに、二名は頭蓋骨陥没、別の二名は助骨を損傷、さらに一名は舌を失っていました。
不可解なのは、何名かの犠牲者の中から高濃度の放射線が検出されたとのことです。
当時のソ連政府は「抗しがたい自然の力によって命が失われた」としまして、事件後3年間、現場を立入禁止としました。
検死の結果、最初の5名の犠牲者の死因は低体温症によるものだとされました。
しかし当時、気温がマイナス30度というのに遺体は極めて薄着、また2ヶ月後に発見された残る4名については、低体温症以外の致命傷を負っていたことが分かりました。
この怪我は交通事故にも匹敵する圧力が必要でしたが、遺体には外傷がなく、また周囲に争った跡はないことから、その原因究明は困難を極めたのであります。
ソ連軍の秘密兵器実験説から宇宙人説まで、今日現在もその原因は特定されておりません。
さて本作は、この事件に興味を持ったアメリカの大学生5人が、その謎を追うドキュメンタリー映画を撮影するという作品。
要はブレア・ウィッチ・プロジェクトみたいなアレです。
低予算でも制作できるファウンド・フッテージと呼ばれるジャンルですね。
本作は、内容的にも目新しい物は特にないのですが、その辺のホラー映画よろしく、「セックスの最中に何かが起こる」定番パターンを踏襲しております。
途中だらだらとお馬鹿な大学生の珍道中が続きますが、徐々に深刻な事態になってゆくという不気味さは、なかなか上手く演出できていたように思います。
またラストのオチは、なかなかユニークだと思いました。
その数分前のシーンを思い出しながら「あー、なるほどね」となります。
とにかく、Amazonのレビューに書いてあるほど悪い映画ではありません。
ベースとなるディアトロフ峠事件自体がミステリアスで面白いので、都市伝説が好きな方にはオススメです。
ディアトロフ・インシデント ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]
監督: レニー・ハーリン
出演: ホリー・ゴス, マット・ストーキー, ルーク・オルブライト, ライアン・ホーリー, ジェンマ・アトキンソン