今日の1本 リング コンプリートBOX (2003)DRQのレビュー
リング コンプリートBOX (2003)DRQのレビュー
先日、ネギラーメンを食べていた定食屋のテレビで「貞子の母のモデルは実在した」という内容の放送をしていました。
ネギラ―の食後でしたが、思わず見入ってしまいました。
貞子の母「山村志津子」のモデルとされるのは「御船千鶴子」。
名前の読み方も似ていますね。
彼女は1886年熊本県生まれ。
生まれつきの難聴でしたが、幼い頃から不思議な力を持っていたそうです。
22歳で千鶴子は結婚しますが、その夫の財布から無くなった金を、姑の仏壇にあると言い当てました。
姑は自分が盗んだという疑いをかけられたことを苦にして自殺未遂をおこします。
これが理由で離婚して実家に戻りますが、その後、彼女の能力は大きく開花します。
当時の日露戦争で奉天会戦に参戦した第六師団が、ロシア帝国海軍に玄界灘で撃沈された常陸丸(ひたちまる)に偶然乗っていなかったことを透視。
また、まだ石炭が主流だった当時、炭鉱資源の場所(現在の万田炭鉱)を言い当てて、謝礼金2万円(現在の価値で二千万円)を受け取りました。
しかし、これらは千鶴子の能力を金にしようとした父・秀益の企みであり、炭鉱の謝礼金も父が使い果たしてしまいます。
しかしその後、評判は瞬く間に広まり、千鶴子は東京帝国大学の福来友吉助教授の元で、本格的な超能力の研究に参加しました。
当時はレントゲンがX線を発見、キューリー婦人が放射線など、新しいパワーの発見が世界中で進んでいた頃です。
日本としてもこれらの競争に負けるわけにはいかず、世界初の発見をするべく超能力の研究を急いでいたという時代背景がありました。
千鶴子は、その実験の中で、壺の中に入れた名刺の名前を言い当てたらしいです。
ちなみに「透視」という言葉はこの頃の新聞で初めて使われた言葉です。
その論争に白黒つけるべく、当時の物理学の権威である東京帝国大学の元総長の山川健次郎の立会いの元、透視の公開実験を行います。
千鶴子は透視に成功しますが、透視に使われた札が、もともと福来助教授が練習用に千鶴子に手渡されたものであることが発覚。
その疑惑の透視能力に対してマスコミは極めて否定的な論調を紙面で繰り広げました。
千鶴子はそれを苦にして服毒自殺。
24歳でした。何とも痛ましい話です。
さて、映画リングの中で山村志津子の公開実験シーンがありますが、これをモデルにしたことが良くわかります。
そのリングですが映画はジャパニーズ・ホラーの元祖として脚光を浴びた作品です。
しかし、その原作である鈴木光司原作のリングは、そもそも三部作の中の第一部に過ぎません。
第二部が「らせん」であり、第三部は「ループ」という作品です。
まだループは映画化されていませんが、これは原作を書籍で読めば、その映画化がいかに難しいかが分かると思います。
リングというオカルトからスタート、らせんで医学的な見地から謎の死亡原因を究明、そしてループでサイエンス・フィクションとも言える壮大な終焉を遂げるというストーリーの流れは、なかなか他では味わえないと思います。
リング コンプリートBOX [DVD]
監督: 中田秀夫
出演: 松嶋菜々子, 真田広之, 中谷美紀, 沼田曜一
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