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CINEMAバリQ

【カメラを止めるな!】
すべての「映画人」と「父」と「仕事人」に贈る映画

ゾンビ映画に本物ゾンビ乱入――「カメラを止めるな!」

【あらすじ】

リアリティーを追及する監督が、俳優たちを恫喝しながら、ゾンビ映画の撮影を進めるなか、本物のゾンビが襲来。恐怖におののき逃げ惑い、ゾンビに襲われているスタッフらの状況を無視し、狂気に満ちた様子で監督は撮影を続行するが……。

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あっと驚くゾンビもの?――「カメラを止めるな!」

【レビュー】

ENBUゼミナールのプロジェクト第7弾作品であり、監督と脚本、編集を務めた上田慎一郎氏にとって初の長編作品であり、なおかつ、あまり知られていない俳優さんたちが出演していて、それでもって2館のみで上映を開始したにもかかわらず、その後どんどん口コミで広がって300館以上の上映となり、おまけに「『ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)』以来で最高のゾンビコメディ」とまで海外で評価され、国内外で数々の映画賞受賞という快挙を成し遂げてしまったこの作品

「本当に、面白いのぉ?」と色眼鏡をかけて見てしまうのも、仕方がありません。ネタばらし厳禁なので、ツッコミにくいなーと思いながら、結局「ツッコミ入れる気満々」で観たところ……、

か、感動しました。

この映画は、“はじめチョロチョロ、中パッパッ、赤子泣いても蓋とるな”ばりに、「とにかく必ず最後まで見るべし」な作品です。

最初は「なんか演技が粘っこいなー」とか「間が悪すぎ……」とか「ワンカット撮影の努力は買う」などと偉そうなことを抜かしながら観ていた筆者も、最後には涙してしまいました。

これ以上は語れませんが、すべての「映画人」と「父」と「仕事人」に贈る、元気がでるムービーです。個人的には大好きなサイモン・ペグ、エドガー・ライト、ニック・フロストチームの『ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)』と対等に評価されたことがとても嬉しく、日本人としても誇らしく思います。

【登場人物と出演者】

映像監督の日暮隆之は、心に鬱積したものを抱えています。演じたのは、濱津隆之さん。おっとりした人のよさそうな顔で、狂気の場面、砕け散る場面、理性で抑える場面などを、猛烈にいい味を出しながら演じています。

日暮隆之の娘、日暮真央は反抗的で憎たらしさ全開ですが、映像へのこだわりと情熱は人一倍。演じたのは笑顔がとっても無垢な真魚さん。

監督の妻、日暮晴美はちょっぴり危険人物かも。動じない、気にしない、配慮がないけれど、実は夫と娘の良き理解者です。演じたのは、しゅはまはるみさん。飛び蹴りがナイス。

松本逢花は、絵にかいたようなアイドル女優。かわいくて、監督に泣かされ、泣かせる? したたかな人物です。演じたのは、秋山ゆずきさん。上田監督の作品としては、3作目とか。

神谷和明は売れっ子イケメン俳優。知的というより理屈っぽい。松本逢花と同じく、監督に泣かされ、泣かせます。

「ゾンビ・チャンネル」のプロデューサーらは、ローリスク・ハイリターンな、美味しい上澄みだけをすくっていく超適当な連中です。演じるのは、一見するとシリアス路線な大沢真一郎さん、 アマチュア落語家でもある竹原 芳子さん。

【結論】

エグイ映像はあるので、ホラー映画嫌いの方にはちょっと厳しいかもしれませんが、ゾンビ映画であり、ゾンビ映画ではないといえるのがこの作品。娯楽映画として、もしくはドキュメンタリーとしても楽しめるはずです。

ライター中山陽子でした。

 

カメラを止めるな!(2017)

監督 上田慎一郎
出演者 濱津隆之/真魚/しゅはまはるみ/長屋和彰

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