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CINEMAバリQ

【ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋】
格差カップルというより器のデカさが銀河系レベルな2人のラブストーリー

初恋のお姉さんは次期大統領候補とか「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」

【あらすじ】

優れた才能をもちながら、こだわりが強すぎて失職したジャーナリストのフレッド・フラスキーは、ビジネスで成功した親友のランスに連れられ要人が集まるパーティに出席。すると、そこには次期大統領候補の美しきシャーロット・フィールド国務長官がいた。じつは彼女、かつてはフレッドのベビーシッターであり、初恋の人でもあったのだ。結果として、かなり恥ずかしい思い出となった初恋の相手を前にたじろぐフレッド。しかし、そんなフレッドとは真逆に、子どものころから彼の知性と才能に気づいていたシャーロットは、なんの偏見もなくフレッドのジャーナリストとしての腕を認め、なんと大統領選挙のスピーチ原稿づくりを依頼する。

下ネタ満載「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」

【レビュー】

ロング・ショット(Long Shot)という言葉は、「期待薄」「勝つ見込みの低い参加者」「大穴」といった意味を持つそうです。この映画の“期待薄”とは、才色兼備な次期大統領候補とダメダメ男の恋が期待薄とか、大統領選挙直前の大スキャンダルで当選が期待薄とか。

でも、そんなことより何よりも、注目すべきは主役の2人の「器」が銀河系レベルに大きいことです。 なんせ、今回の作品ですっぱ抜かれたスキャンダルは「恥ずかしさ」が最上級レベルですから。

しかし、2人はコッパズカシイことなんぞ脇に置き、自分と愛する人の信念が脅かされること、それにより絆が揺らぐことばかりを憂慮します。「みんなやるでしょ」と突き刺すような目で語るシャーロット役のシャーリーズ・セロンがカッコいいのなんのって。何度も観なおしましたわ(「イエイ、そうさ!」と返すラッパーもナーイス)。

普通ならそんなことが起ころうものなら、お互い責め合いケンカして、弁護士立てて泥沼になり、気分の悪い状態に陥りそうなもの。ところが、この映画ではそういったドロドロは一切ありません。『ベイウォッチ(2017)』ばりに終始下ネタが満載なのに、思わず涙が出そうになりましたよ。 

メガホンを取ったのは、『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョナサン・レヴィンさん。 本当に、新鮮で感動的な下ネタコメディでした――じゃなくて、ナイスなラブストーリでした。

【登場人物と出演者】

シャーリーズ・セロンさん演じる次期大統領候補のシャーロット・フィールド国務長官は、美貌と知性とナイスバディと「少女」を備えた善良で優しい超理想的な女性。しかも強い。あまりにも完璧なので近寄る勇気を出せるのは、ちょっと変わったセレブ(本当の笑顔は怖いカナダ首相)かフレッドぐらいかも。

セス・ローゲンさん演じるジャーナリストのフレッド・フラスキーは、頭が切れて才能があり、しかも正直で誠実なのに、やることなすことぜんぶ滅茶苦茶。それをはた目には「ダメ男」というのかもしれませんが、こんなふうに思い、守り、尊重してくれる男性がいたら女性は幸せだと思う。

オシェア・ジャクソン・Jrさん演じるランスはフレッドの大親友。起業家としてかなり成功しているのに、ダメダメな状況の親友をとても大切にするし、胸の前で腕をクロスさせて「ワカンダフォーエバー」と言うし、もう涙が出るほど友達にしたいナンバー1。異なる政治観、宗教観を語り合える友なんてそうそういない。

アンディ・サーキスさん演じるメディア王のパーカー・ウェンブリーは、あくどい金をたんまり持ったアホでバカなマヌケです。以上(サーキスさんの演技は最高です)。

【結論】

格差カップルのありえないラブ・ストーリーや下ネタばかりが注目されがちな作品だけど、この映画の最大のポイントは「2人の人間力のすごさ」です。チャドウィック・ボーズマンさんを想いながら……「ワカンダフォーエバー!」

ライター中山陽子でした。

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019)

監督 ジョナサン・レヴィン
出演者 シャーリーズ・セロン/セス・ローゲン/オシェア・ジャクソン・Jr/アンディ・サーキス