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CINEMAバリQ

【ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ】
ちょっぴりエンターテイメント化したシカリオその後

無敵のシカリオが絶体絶命「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」

アメリカ、カンザス州の商業施設で自爆テロが勃発。テロ犯の不法入国にメキシコの麻薬カルテルが絡むと考えたアメリカ政府は、CIA特別捜査官のマット・グレイヴァーに合法・非合法問わず、麻薬カルテルを攪乱するよう命じる。絶対的な権力と膨大な資金をバックに、グレイヴァーは再びシカリオ(殺し屋)のアレハンドロとタッグを組み、カルテル同士の抗争を引き起こそうとする。

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エンターテイメント化した「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」

【レビュー】

2015年に公開された映画『ボーダーライン』のスピンオフです。監督は『ブレードランナー 2049(2017)』のドゥニ・ヴィルヌーヴさんから、イタリア人のステファノ・ソリマさんへ。脚本は同じくテイラー・シェリダンさんです。この方なしに、シカリオシリーズはあり得ないといったところでしょうか。

前作は、エミリー・ブラントさん演じる優等生のFBI捜査官ケイトが、善と悪の境界線がない麻薬カルテルの捜査に愕然とするという、外側からグレーゾーンを見る映画でした。観客もケイトと同じ目線で、綺麗ごとが一切ない真の捜査を目の当たりにします。銃声は日常茶飯事というメキシコの風景を示した、少しソダーバーグ監督の『トラフィック(2000)』を思いださせるラストシーンが、社会派としての印象を強めていましたね。

一方、今回は、グレーゾーンから周囲を見渡す内容に。しかも、CIA特別捜査官のマットや、復讐心に燃えるシカリオのアレハンドロが、前作とは違った一面を見せます。あの目的重視で非情なアレハンドロがちょっぴりセンチメンタルになるし、常に豪快で不敵だったはずのマットが動揺した様子を見せるし。おまけにラストシーンは続編の匂いがプンプンです。マーベル映画ばりに、エンドロール後に何かあるんじゃないかと期待してしまいました。

つまり、あの、“媚”が一切なかった『ボーダーライン』が、少~しエンターテイメント化しているのです。

【登場人物と出演者】

アレハンドロは、麻薬カルテルに妻と子を惨殺されたコロンビアの元検察官。前作では復讐以外に興味がない人物に見えましたが、今回は少し違います。『レオン(1994)』のハード版というか、なんというか……。演じるのはベニチオ・デル・トロさん。背丈と存在感が一般人の倍ほどあります。

CIAの特別捜査官、マット・グレイヴァ―は、今回もサンダルで登場。アレハンドロとの友情らしきものをちらつかせ、筆者のようなファンを喜ばせます。でも、観ているとどうしても、『デッドプール2(2018)』でウェストポーチからリップクリームを出して、唇にヌリヌリしていた姿を思いだしてしまう。もちろん演じるのはジョシュ・ブローリンさん。

麻薬王の娘であるイザベラ・レイエスは、かなりインパクトの強い登場をしますが、だんだん可愛らしく見えてきます。まあ、アレハンドロの隣にいたら誰でも小動物に見えちゃいますけどね。演じるのは、歌手、作詞家、そしてダンサーでもあるという期待の若手女優イザベラ・モナーさん。『トランスフォーマー/最後の騎士王(2017)』でも役名がイザベラでした。

どんなに過酷なメキシコでも、いると和むメガネ君はスティーヴ・フォーシング。今回は、何かといろいろ大変です。演じるのは海外ドラマ『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』でお馴染みのジェフリー・ドノヴァンさん。

【結論】

あのハードでダークで危ない社会派のクライム・サスペンスが、ちょっぴりエンターテイメント化して復活しましたが、ベニチオ・デル・トロさんやジョシュ・ブローリンさんという、男臭い演技派俳優さんらのお陰で、重みや厚みは失われていません。渋いオッサンたちのルールなき戦いを目撃したい方は、ぜひご賞味あれ。

ライター中山陽子でした。

 

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018)

監督 ステファノ・ソリマ
出演者 ベニチオ・デル・トロ/ジョシュ・ブローリン/イザベラ・モナー/ジェフリー・ドノヴァン

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