【アクアマン】
豪快で魅力的なDCコミックスのヒーローが大暴れ! 新感覚海底バトル
人間と海底人の血を引くアーサーの運命は!?――「アクアマン」
【あらすじ】
海底王国アトランティスの王女アトランナが人間と恋に落ち、アーサーが生まれる。人間として育てられたアーサーはすっかり成長し、自警活動を行うほどたくましくなっていた。彼には、優れた戦闘能力のほか、海底人としての特殊な能力が備わっている。しかし、アトランティスが人類を征服しようと地上に攻め入ろうとしたため、人間と海底人の血を引くアーサーもまた、その戦いに巻き込まれていく。
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とにかくジェイソン・モモアが魅力的すぎる――「アクアマン」
【レビュー】
アクアマンは、水・陸いずれにおいても戦闘能力に優れた、水棲生物とテレパシーで意思疎通もできる、DCコミックスのスーパーヒーロー。『ジャスティス・リーグ(2017)』でもアクアマンを演じていたジェイソン・モモアさんが同役を演じています。その姿が、とにかく尋常じゃなくムキムキで、ワイルドでセクシーで、かわいくてカッコいい!
今回の作品には、魅力的な女性のヒーロー“メラ”も登場します。演じたのは、何かと私生活が話題のアンバー・ハードさん。彼女がどこまで強く凛とした女性ヒーローを演じられるのか疑心暗鬼でしたが、意外にもすっかり魅了されてしまいました。疑ってスマン。
セクシーでチャーミングなアクアマン(ジェイソン・モモアさん)と、セクシーでカッコいいメラ(アンバー・ハードさん)は、マーベルのキャラクターでいえばソー(クリス・ヘムズワースさん)とブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソンさん)といったところでしょうか。
何にせよ、テンションをガツンと上げてくれるキャラクターたちです。
アトランティスの元女王・アトランナを演じたニコール・キッドマンさんも有無を言わせぬ美しさだし、アーサーの教育係であるバルコがウィレム・デフォーさんというキャスティングは、映画好きの勘所を押さえています。ホラー映画や『ワイルド・スピード SKY MISSION(2015)』で知られるジェームズ・ワン監督が描く、想像の域をはるかに超えた海底の世界観や、アクションも素晴らしい!
ただ……、
頭にドーム型のヘルメットをしているヴィラン「ブラック・マンタ」だけは、どうしてもギャグに見えて仕方がありません。着ぐるみみたいな頭でっかちの愛嬌ある姿で、「ブラック・マンタ!」とか何とかいって登場すると、前につんのめってコケて、ハリセンボンで叩かれるんじゃないかと、つい心配になってしまいます。
もちろん、このヴィランが誕生したいきさつには悲しい背景があるので、至ってシリアスなんですが、後に出てくるマッドサイエンティストが『アントマン&ワスプ(2018)』のおとぼけFBI捜査官、ジミー・ウー( ランドール・パークさん)だったりするので、やはりジェームズ・ワン監督は笑わせようとしているんじゃないかと勘ぐってしまうわけです。(まあ、コミックのキャラクター自体があのビジュアルなのだが)
【登場人物と出演者】
【アーサー・カリー(アクアマン)】は、父親思いのタフな海底人ハーフ。アトランティス帝国の元女王であるアトランナの血を引くだけあり、粗野な中にも風格があります。海に住むすべての生物と意思疎通ができ、海のスーパーマン? といえるほどの戦闘能力があります。演じたのは、このキャラクターに溢れるほどの魅力を与えたジェイソン・モモアさん。
個人的は、アクアマンとワンダーウーマン(ガル・ガドットさん)登場のおかげで、『DCエクステンデッド・ユニバース』への期待がグンと高まりました。(ちなみに、DCエクステンデッド・ユニバースは正式名称ではないらしい)
【メラ】は、海底国ゼベルの王女。一見すると鼻っ柱が強いワガママな王女様ですが、実はとても情があり、知性にあふれています。マーベル的にはスカーレット・ウィッチのように水を自由自在に操ることができ、ブラック・ウィドウのようにものすごく高い戦闘能力を持っています。演じたのは、セクシーで美しすぎるアンバー・ハードさん。この役がとても良かったので、私生活でついた悪女イメージが払しょくされるかも?
【バルコ】は、戦闘術に優れた、思慮深きアトランティス帝国の参謀。アーサーには王の資質があると信じており、彼が子供のころから肉体と精神を鍛え、戦闘術を教えてきました。演じたのは、善人も悪人も自由自在に演じちゃうウィレム・デフォーさん。
“オーシャンマスター”を名乗るアトランティス帝国の王【オーム】は、アトランティス帝国の元女王であるアトランナの息子。自分は母に愛されていなかったと認識しており、母が本当に愛した人間との子供である異父兄弟のアーサーに対し、激しく嫉妬しています。演じたのは、金髪で青い目のイケメン俳優であり、舞台を数多くこなす実力派でもある、パトリック・ウィルソンさん。
ついついマーベルを引き合いに出してしまいますが、先述したとおりアクアマンの豪快さや快活さ、自信たっぷりで堂々としているところはソーによく似ており、その兄に嫉妬する繊細でキレイな弟ヴィランのオームを見ると、何となくトム・ヒドルストンさんが演じた、ソーの弟ロキを思い浮かべてしまいます。
【デイビッド・ケイン】は、アーサーを激しく憎む海賊。アーサーを憎むあまり、全身のバランスがギャグっぽい、ブラックマンタになってしまいます。演じたのは、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世さん。彼は、この悪役キャラクターの背景にあるものをしっかりと受け止め、心の傷を醸し出しながら演じています。
【アトランナ】は、美しく気高いアトランティスの元女王。アーサーとオームの母親です。自立した女性なので、政略結婚を拒んでいました。しかし、潔く責任感のある彼女は、愛する人々を思い決意の行動に出ます。演じたのは、いくつになっても本当に美しいニコール・キッドマンさん。歳を重ねて、ますます魅力的になった気がします。
メラの父親である【ネレウス王】は、アトランティスの隣国ゼベルの王。演じたのは、アクション俳優で空手家で、高学歴でIQも高いという、何だかすごいドルフ・ラングレンさん。「アンバー・ハードさんの父親役がドルフ・ラングレンさん」という文字面だけで、猛烈に生命力が強そう。
アーサーの父親【トム・カリー】を演じたテムエラ・モリソンさんは、『スター・ウォーズ』シリーズにも出演しているニュージーランドの俳優さん。とにかくでっかい息子アーサーと飲み比べしているシーンでは、本当に港の酒場にいそうな情深いオッチャンを、うまく演じています。
【結論】
アーサーとメラの「イタリア珍道中~」はちょっとわざとらしかったけど、基本的には最初から最後までワクワクが尽きない、猛烈に面白いスーパーヒーロー映画です。 新感覚の海中バトルで気分爽快になれるはずですよ。
ライター中山陽子でした。
アクアマン(2018)
監督 ジェームズ・ワン
出演者 ジェイソン・モモア/アンバー・ハード/ウィレム・デフォー/パトリック・ウィルソン